まほらま/片歌・短歌・旋頭歌・仏足石歌・長歌


御饌つ国志摩にをかゆるものかえ知らず

はろはろに夜をしゆかば海ひからまし

ゆふさらばあをみまさるかたゝなづく山
日暮るれば山ゆまさゆるあまたなる星

い帰らばまたもい帰る日はあらむ いづくもわぎへこのこにあれば

御饌つ国志摩・神風の伊勢とほく逢へましゞとてむだき給はむ


             


おしてるや難波の茅渟の海こそ懸けめ

玉葛弥遠長き日とふ御統 投ぐる矢の遠さかりゆく地とふ御鏡


             


とこふとふことなしそねや言霊のなれにし降るゝ朝の黒髪
玉の緒は隠らせてこそあるべけれ 人にな告げそあそがし忌み名


             


なほし御坂越えば天にそ雪は見ゆるや 水薦苅信濃天にそ近つ国ゆゑ

鳥網張る坂と天つ日、そのあひだとて


             


うち寄する駿河の淡海遠つ海常世の国に夏来らまし

日の経を日の経とてか風吹くかぎり


             


稲筵川渡りゆくほどな忘れそ


             


いにしへゆ伝ひ伝はる歌ひとつ
ものゝふ盛り
御佩刀を剣湛ふる
照りをもて闇をし断つや
撃ちてしやまむ

来目歌はますらをまほろば増されどもわづかに哀し空蝉の世は


             


吹く風に
天つみ空を煙らせる
塵泥あれにいで積もらむ
積らまくほし
弥日異になほし流るゝ
川と違はず

あがうちゆ流れ出でむと滾つ瀬は時の寝屋をしあなぐりゐれども


             


天満つ大和 日女尊坐すや

言霊のやその音満つ 水底に墜つるがごときあはひなれども


             


うち日さす宮はあがあも 風にひちゐて 


             


水薦苅信濃の神にむだかれておのづなるらむ
安き息嘯も もだをふる日も


             


隠り処は雨に沾ち沾つ 息衝かしきあまたなるもの
つかねつどはせ、ながれながして


             


衣手常陸をし懸く 天つみづくるつあしたはあはにな降りそ


             


味酒の三輪に坐せる神しかも授けたまへる奇しあまた 

空満つ大和まほらまいにしへはほにそ天降もれるしなる神奈備

神風の伊勢斎の宮、御鏡よ暗くな給ひそ 天つことはり

言挙す あれあれゆゑにあがもともあがすゑかつも大和ゆ、大和に






            
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