こもりづ/長歌


敷島の大和はなほもこに在りて
なれどこになし
敷島の大和はもはやとほくとも
なれど近くに

いさゝがは
みをみなもとは象もなきおめきとも得き
いさらがは
かみべみなかみ寿き謡ひ願ひ託しき
またはやせ
たぎちはやだち競ひては道成し道ゆき落ち合ひて
ふちせえだがはみわたとも

しもてはやそせ
ひろせとも見ゆれど走るさまはよゝ
みなしがはではあらざれど
みづのをなほもさゞれみづ

あれこもりづのそのごとく
あらむと思ひなほ謡ひ歌謡ひゐるほかもなく

悠けく越えし数ふれば
幾千万の昼と夜と
幾千万の歌主と
幾千万の歌に歌
人の子成してなほも成し
つかねば草紙
千万にならゆるものと

あまたなる日に月に歳
譬ふればときのかはとも草紙とも
あれ願ひゐるふたつなき
思ひはあれゆしもてにて
いつにいづれに歌謡ふ
歌主にへの渡守
かつ石橋に階に
あれもあまたの歌主ゆ
賜り授かり給ひたるものゆゑ

永きまた永き草紙、中ほどその端と
たゞならまほし
なほならまほし

哀しきはかうどはいくたり途絶え途絶えしものだとふうつゝばかりが聞こゆるうつゝ

BACK    NEXT