常は堅はに


天の原不尽にそ坐せる
萎草の女なる木花佐久夜毘売
高天原ゆ天降りせる
天津日高日子番能邇邇芸命、笠沙の御前にて
遇ひ給ひし女
しが名こそ告り告れ
神阿多都比売なり
さればこゆなる玉鉾の道はろ/\に
玉葛弥遠長き夜に夜、かつも日に日に
ゑめば散りたゞ散るかぎり
散れば朽ゆ
朽ゆればまたもゑみゑむを
重ね重ぬる空蝉の人もあり
また大倭豊秋津島あり
恒に石の如くに
常はにも
堅はに動かずあらざるを
負へるはもとより天津日高日子番能邇邇芸
え知らざりし畏き奇帯ぶ女
石長比売のゆゑにして
なほも木花佐久夜毘売
なせし火のむた
しが御名は火照命
恥みせつとふことかなしび給ひしに
大山津見神の子は
火の子をしなしゆゑよしか
神坐す山天の原不尽となれるはいにしへゆ
なほもかなしび消ぬがごと
煙噴き噴く火もし噴き給ひしけとて思はゆるはも

い寝る山な泣きそ泣きそ間なくしばなく鳥が鳴く東の山 い寝よ、常は堅は













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