心象万華鏡・93/片歌連歌(独詠)



あることを決めたのはヒト 星の廻りに
ゆくことで過ぎ去るものを川面へ浮かべ

一瞬の共有 液晶画面を越えて
数へ声のこだまが覆ふ大陸がある

歓声と花火と祈り リレーのやうに
ひとつだね、ひとつなのかな、ひとつゝて何?

同じとは変はらないこと 地とは幾何学
平等といふ名の暴挙 例へば暦

けふをけふと知らない人の名前、教へて
豊穣とぬくもり、そして朝を願ふよ

セルロイドの豊かさに咲く 悪夢の花が
怯えとか凍え ぼくらはぼくらを拒む

すかすかで着信を拒否 真昼の日陰
多過ぎるノイズ 聞きたいものは最果て

オリジナル 最初はたぶん太鼓だつたと
弛まずに、目を逸らさずに、天地の境

天球儀 季節も時も覆ひ尽くして
みづいろは成層圏にいまも満ちゆく

年輪の層と波紋を重ねれば 風
決められたものだとしても 輪廻する時





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