心象万華鏡・84/片歌連歌(独詠)「祈望」


生きてゐていゝですかつて自問 沈黙
免罪符、あるいは許可があるとしたなら

叶ふならもつとおほきく、可視領域よ
半分は半分といふ全部 分度器

最初から180度 これが宿命
円と球 たゞ風が吹く次元の狭間

渇望の映像として原野、地吹雪
砂が啼く、螺旋が嘆く 東を目指せ

旋廻の果てにあるのは海峡 恐らく
蝶といふ原始のカタチ 進化は退化

気流 もう感じられない推進力に
危ふげな爛熟の香はなほも甘やか

願ふのは爛柯 さうして地球よ、廻れ
千億の光年のゝちあなたに逢ひたい

逢魔が時 聖も邪もまた俗すら千尋
それぞれの周期 奇跡は日常だから

祝福は無常 あまたの絲が織られて
最初から孤独、最後も孤独 愉楽の

種であり、草である花 独善ですか?
黙示 けふまた刻まれる祈りがすべて








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