澄み切れぬ思ひを映す空 たゞ広く
焦がれては登りゆく山 もつと近くへ
土の香でこの焦燥をしづかに溶かし
両腕をひらいて逃がす闇 水彩画
世界とは内と外との両界曼荼羅
内在と表現 天はそれぞれにある
あがうちのミクロコスモス それは深海
水圧に抗へばこそ叶ふ実感
お守の袋は叶結びで飾る
天球儀 手を添へながら呪文をひとつ
呪ひとてまた祝ひとて祀りは祀り
火が爆ぜる、祝詞が上がる、夜はまだ明けぬ
燃え尽きた気だるさ纏ひまだ微睡むも
無情なる朝が再び 冷えゆくうなじ
蒼穹はたゞ/\無限 然るに無間
自らのちひさゝだけを確かめたくて
自づから逢魔時に安堵してゐる
煌きは消滅の色 極限は美で
滅すれば発する 波も、雲も、光も
清澄を望む 出来うることは信愛