●16歳


  期待したわたしがバカだ。高校もあの中学と大差ないじゃん。

  He sabido que estoy libre, es decir que la libertad es soledad. (*)

  ため息を漏らせる場所は何処に行けば...。分断される私と私。

  居場所ナシ。留学試験、受けたいな。給費合格、出来るのならば...。

  イングリッシュ・キャンプ、そうだよ学校の外に仲間は必ずいるよ。

  数学が壊滅的だ。物理とか地学はこんなに楽しいのになあ。

  家事があって、アルバイトさえ出来なくて、スペイン語辞書、欲しいんだけど。

  ラブレター、どう断ろう? 憧れは教務主任のジィちゃん先生。

  タオイズム、なんだかすごい! 「水善利万物、而不争(*)」

  小説が初めて二次を。頑張ろう、諦めなけりゃ、終わりはないさ。

  一斗缶、二つ重ねたスモーカー。鰊の燻製、大成功だあ!

  今日だけは奮発をした。見つけたの、翁(*)の謡本。「とうとうたらり」

       * 英語専門の高校だったので、高校1年から第二外国語が必修でした。選択はスペイン語。
         歌に詠んだのは、英文「I've known that I am free, is to say that the freedom is solitude」を直訳
         したものだったと思います。正しくないです。まだ始めたてだったので...。


       * 「老子道徳経」 第8章の一部「水は善く万物を利して而も争わず」。高校1年後半から、一
        気にのめり込んだのが老荘思想でした。

       * 謡曲の中で最も神聖視されている「翁」のこと。なかなか謡本が見つからず、この時やっと
        購入。手持ちの古典全集には未収録でした。「とうとうたらり」は翁の冒頭です。





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